そろそろ将来のことも考えて投資をしようかなと考える時に、まず最初に知る単語が「投資信託」かと思います。
投資信託は長期で行うことが多い投資方法ですが、正しく理解して適切にリスクを管理することが重要です。
とはいえ、まったくの初心者が投資信託を始めるには難しさもあります。
今回の記事では投資信託で利益や損が発生する仕組みなどの基礎の部分を超初心者でもわかるように解説していきます。
目次
そもそも投資信託とは
投資信託は「みんなが出したお金をプロが代わりに運用・投資して利益を得る投資方法」です。
みんながお金を出し合い、プロが代わりに運用してくれるので、とても簡単に投資を継続できるのが強みです。
ここで質問です。「投資」と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?
株・不動産・債券は王道かと思います。
投資信託はプロが代わりに運用してくれるのですが、プロも集めたお金を株や不動産などに投資して運用しています。
そのためプロが代わりに運用してくれるとはいえ、大まかな投資対象はあなたが決める必要があります。
自分の希望に合う投資対象を決めた後に、希望に近い投資信託の商品を探すことになります。
投資信託の流れ
投資信託の流れは5つの手順に分けられます。
この中でも、私たちが投資をするときに実際に何か行動する部分は以下のみです。
すごくシンプルですね。
2.の運用と3.の手数料、4のお金が返ってくる部分は会社にお任せすれば勝手にやってくれます。
このお手軽さ&プロ並みの運用成績となるため、投資信託は誰でもできる人気の投資方法になります。
投資信託ではどうやって儲けることが出来る?
投資信託では2つのタイミングで利益が出ます。
分配金が出た時
分配金とは、お金を貸してくれてありがとう~!少しだけどお金を返すね!というお金です。
最初の「投資信託の流れ」で見ると、4. 時々お金が返ってくる。の部分となります。
ここでクイズ!
お金を貸した人と、お金を借りて運用している人ではどちらが偉いでしょうか?
お金がないと運用できないので、もちろんお金を貸した人の方が偉いですよね。
そのため、お金を貸してくれてありがとう。というお礼としてお金をあなたに返します。
これが分配金と言われるものです。
また、分配金のような資産を持っていることで得られる利益のことをインカムゲイン(Income Gain)と言います。
今回のケースでは、投資信託という資産を持っているので分配金を得ることが出来た。=インカムゲインとなります。
売却をした時
4.の部分で投資信託の価値について触れましたが、全ての投資において重要な点は価値=価格が変動することです。
例えば、本屋で新作の本を800円で買ったとします。
読み終わった後にメルカリで売るとしたら、300円になりました。
損したのは500円ですよね。
買った時の本の価値は800円で、メルカリで売る時は300円の価値でした。
800円も300円も同じ本の価値なのですが、中古品は新品ではないため、欲しい!と思う人が少ないので価値が低くなってしまいました。
このように価値は変動するものです。
投資信託も本のケースと同じ理屈で変動します。
例えば、1口=800円の投資信託を1口購入しました。(口というのは投資信託の取引における単位です。1つの本みたいな感じです。)
この800円が1年後に1口=1,300円に上がりました。
投資信託を1口売り、これで500円の利益になります。
これとは逆に1口の価値が300円に下がった時に売却をしたら、500円の損で確定します。
これが投資信託を売却した時に利益や損が出る仕組みです。
このような保有している資産を売却した時に出る利益のことをキャピタルゲイン(Capital Gain)、損のことをキャピタルロス(Capital Loss)とも呼ばれます。
投資信託の登場人物
投資信託の仕組みが分かってきましたが、ここからは預けたお金はどう保管されているのかについても理解していきましょう。
投資信託を買って集まったお金はどのように保管されていくのか、登場人物を絡めて流れをおさらいしてみようと思います。
投資信託を利用する時に、販売会社・運用会社・信託銀行の3つの会社が出てきました。
なぜ3つの会社に分けて投資信託を管理しているでしょうか?
それは私たちのお金を守るためです。
販売・運用・保管の全てを1つの会社で行うと、実際には預けたお金が何にどう使われているのか不透明になります。
最悪のケースでは、投資のために預けたお金を無断で別の用途に使ってしまうかもしれません。
そのような不正利用を予防するために、3つの会社で役割を分けて管理しています。
また仮に会社が潰れたとしても、私たちの財産は保護されることが法律で義務付けられています。
投資信託の商品について
実際に投資信託を始める時には、たくさんの投資信託の中から1つを選んで投資していきます。
そのため、自分のスタイルに合った投資信託の商品を探しましょう。
ただ「株」を対象にしたい!と一言で言っても、「日本株が良い」「アメリカ株が良い」「ネット関連の株が多いほうが良い」など具体的に決めておく必要があります。
ある程度の投資対象株を絞って、投資信託の商品を購入することになるのですが、気をつけるべきポイントがいくつかあります。
投資信託を選ぶときの気をつけるべきポイントは別記事にてご紹介しますので、ご覧ください。
投資信託が初心者におすすめの理由
投資信託がおすすめの理由は、第一に少額から始められること、第二にリスク分散をしやすいことが挙げられます。
少額から始められる
販売会社によっては100円から投資信託を購入できます。
仮に毎月100円を10年続けて、利率を3%とします。(例えば100円に対して利率3%なので、1年後に3円が利益となります。)
その利率分も毎年再投資すると、10年後には13,904円になります。
毎月100円を貯めるのを10年続けた金額は12,000円なので、1,904円のプラスです。
毎月1,000円なら19,040円のプラス。毎月10,000円なら190,400円のプラスと大きい金額になっていきます。
毎月100円では意味がないと思うかもしれません。
私は100円でもチャレンジすることが大事だと思います。
実際に投資をすることで経験が溜まり、ご自身のリスクの許容具合も試せます。
結構お金の動きが上がり下がりするなと思う人もいれば、意外と緩やかだなと思う人もいるかと思います。
人によってリスクの許容率が違うので、それを見極めるためにも少額で始めるのは賛成です。
とはいえ、投資である以上はお金を失う可能性は避けられません。
仮に失っても影響がない金額を投資にすべき。というのが私の考えです。
だからこそ少額でも始められる投資信託はオススメです。
リスク分散をしやすい
今まで話してきたように投資信託は商品によって目的や中身が違います。
ある投資信託ではトヨタや任天堂など日本株を中心に満遍なく揃えていたり、他の投資信託では国債を集めた投資信託、ゴールドや不動産を中心に集めた投資信託など本当にさまざまです。
ただどの投資信託も複数の投資先が含まれています。
例えばトヨタだけに投資するのと、トヨタ以外にもファーストリテイリング(ユニクロ)や吉野家、大手銀行などを含む大企業100社に投資するのではどちらの方がより分散しそうかというと100社の方がリスク分散していそうですよね。
投資信託に投資をするというのは100社に投資をする感覚に近いです。
ここで金融におけるリスクの定義について説明します。
普通はリスク=危険。お金を失う可能性と思うかもしれませんが、金融の定義では違います。
金融においてのリスクとは、投資によってプラスとマイナスになる可能性の幅のことです。
リスクが高い=リターンが大きいかもしれないけど、損失が大きくなる可能性も高い。という意味になります。
そして、一つの会社だけに投資をするのはリスクが高いです。
うまくいけばリターンが大きいけれど、最悪のケースは倒産して全て失うかもしれないからです。。
一方で、投資信託は100社に投資をするような感じなので、ある会社が倒産しても、別の会社が儲かっていたらプラスとマイナスが相殺し合ってくれますね。
だから投資信託はプラスとマイナスの変動の幅が狭くなる傾向がある=リスク分散がしやすい。と言われています。
まとめ
初心者におすすめされる投資信託の仕組みを説明しました。
投資信託では私たちがすることはどの投資信託を買うか。そして、いつ売るかを決めるのみで運用はプロに任せます。
投資信託は、販売会社・信託銀行・運用会社の3社の役割が分担されているため、会社が横領や不正等のズルがほぼ出来ない仕組みになっています。
また、会社が潰れたとしても投資したお金をすべて失うことはありません。
ただし!運用の結果として損した場合は、損失部分の保証はないため、損する可能性があることに注意しましょう。
投資信託が初心者におすすめの理由は少額で始められること、そしてリスク分散ができることです。
私としては100円でも良いので、投資信託を始めてみるのをオススメします。
投資信託の商品を決めるときに大事なポイントはいくつかあるのですが、別記事にて詳しく説明しますので、お楽しみに!