経理の実際の業務を楽しく知りたいけれど、何かいい本はないかな?
「これは経理で落ちません!経理部の森若さん」は面白くて、経理の基礎が楽しく学べるよ
「これは経理で落ちません!経理部の森若さん」はテレビドラマや漫画にもなった知名度高い小説です。
この記事ではわたしの経理の経験と結びつけながら、「これは経費で落ちません!」が新人経理スタッフや未経験スタッフにどう役に立ちそうかを書いています。
小説4巻まで読んでみましたが、経理の大事な考え方が主人公に染み付いていて、彼女の行動から経理はどう考えるべきなのかという思考と行動が学べると感じました。
「経理の業務や他の会社がどんな感じか知りたいけれど、堅苦しい本は気が進まない」という人に、特におすすめ!
目次
「これは経費で落ちません!経理部の森若さん」では経理の基礎が学べる。
「これは経費で落ちません!経理部の森若さん」には、経理にとって大事な考え方を学べるシーンが多くあります。
初めて経理を行う人はもちろん、経理で数年経験した人にとっても普段の業務の進め方に関して参考になる部分が多いです。
主人公が経理のお手本のような行動を取ることが多いため、私もこういう風に対応してみたいなと思ったシーンも。
交際費の確認をしたり、1円でも合わない時は徹底的に詳細を調査したり、社内のごたごたに巻き込まれたりなど、実際に「あー、あるある。」とうなづくことも多いです。
経理職の特徴ではあると思いますが、経理職についている人の母数がそもそも少ないこともあり、まわりの会社がどのように業務を行なっているかを知る機会は限られています。
他社はどうしているのか?自分だったらどう行動するだろうか?という観点から読んでも面白く、経理の考え方の基礎と応用を楽しく学べる本です。
主人公が経理のすべき行動を取ってくれるので、ぼくも学ぶことも多かったよ。
そもそも「これは経費で落ちません!経理部の森若さん」はどんなお話?
「これは経費で落ちません!経理部の森若さん」は青木祐子さんによる連作短編集です。
経理に関わるトラブルを主人公が解決していくスタイルで、毎話別のエピソードが展開されていきます。
主人公の森若沙名子は経理ひと筋の27歳の女性。テレビドラマでは多部未華子さんが演じられていましたが、イメージにぴったしです。
森若さんは決まったことを淡々と作業しつつも、常に正しい処理かどうか疑問を持つ。
完璧主義と捉えられそうですが、どちらかというと自分の平穏とルールを天秤にかけていく合理的な性格なのかな?と感じました。
平穏を願いつつも、正しくない処理は見逃せないという経理のお手本のような姿勢で、小さな違和感も見逃しません。
「ハラハラする!」というよりかは、「どういうことなんだ!先が気になる。」となる感じで読み進めていました。
現実にまったく同じ状況はあまり起きないけれど、似たような状況はあるな。と思いました。小説ではありますが、わりとリアリティあるお話なのですぐ読み終わります。
主人公がまるでホームズのように事件を解明していく様子が爽快です。
一緒に買った4巻を3日で読み終えてしまったよ。読みやすくて面白いから、本が苦手でも読めるかも!
不正や内部統制の問題がわかりやすい。
主人公の推理や立ち回りは見ていて爽快でしたが、実際の経理がここまで勘を働かせて動くことは少ないと思います。
現実でも売上や経費の流れにおかしいものが見つかったら、細かく確認します。
ですが、疑わしいことは現実ではあまり起きません。
というのも、会社として不正や横領が起きてしまわないように、すでに統制を整えていることが多いためです。
内部統制が対応できていない会社ならあり得るので、主人公の勤め先である天天コーポレーションは統制が甘いと感じました。
一方で、現実でも不正は起きています。ニュースも時々聞くので、統制が甘いとはどういう状況のことか。どういう状況だと不正が起こりえるのかをお話から考えるのも面白いでしょう。
参考書のようにガッツリ体系的に学べるわけではないですが、こういうケースもあるんだなとお話から自然に学べる良い本だと思います。
本を読んで、勤め先の統制が甘いかどうかを考えてみるのも面白いかも?
主人公は経理のポイントを押さえていて、ブレないのが気持ちいい。
主人公の森若さんは経理にとって重要な考え方が染み付いていて、それから外れないところが見ていて仕事ができる人なんだなと感じました。
例えば上長の承認があれば、経理が判断するべきケースは滅多にない。ただし、経理の使い道が適正かどうかはチェックする。
数字が合わない時は何かがおかしいから、調査が必要。日頃に気になっていた小さい疑問点を見逃さずに確認しておく。
適度な妥協と締める部分を上手く使い分けていて、周りの社員から一目置かれているのも納得できる仕事ぶりです。もしも一緒に働いていたら憧れると思います。
もちろん小説なので、実際にはこんな完璧に上手くいくことはありません。ですが、経理の誠実な対応とはこういうことではないかと考えさせられました。
ぼくもいつか、こんなかっこいい経理になりたい!
まとめ
「これは経費で落ちません!経理部の森若さん」は新人スタッフや経理で数年経験した人にも、経理とはどういう風に考えて行動するべきかについて、参考になる小説です。
主人公の森若さんの行動を読んでいくと、経理のお手本のような行動が多く出てきます。
実際の業務に似ている部分もあるので、森若さんの行動と自分の行動を照らし合わせてみると参考になる部分もあるでしょう。
また、私は主人公の勤め先である天天コーポレーションの統制が甘いと感じました。
経理にとって、不正は重要なテーマの一つです。こういう状況だとこういうケースが起こり得るのかと新たな発見もありました。
あくまで小説なので参考書のような詳細な勉強はできないです。そして現実には起きなそうなこともお話として描かれていますが、ケーススタディとして読んでみるのは面白いです。
楽しく、すっきりしながらスラスラ読める小説なので、もし興味があったら試しに1巻を読んでみることをおすすめします!
経理に関係なくとも、そもそもお話が面白い!小説としても、経理のかるい勉強としても読んでみてほしい本です!